あ行
右岸・左岸
川の流下方向に対して右側の岸を右岸、左側の岸を左岸という。
越流堤
洪水調整の目的で、堤防の一部を低くした堤防。
増水した河川の水の一部を調整池などに流し込むことで水害を抑制する。
か行
外水・内水
堤外地側(河道内)の流水のことを外水といい、堤内地側の流水を内水という。
河積
河川の横断面において流水の占める面積をいう。
川表・川裏
有堤河川で堤防の前面、すなわち堤外地(河道)側を川表といい、堤内地側を川裏という。
感潮河川(区間)
潮汐による水位変動の影響区間を普通いうが、海水による塩分濃度の影響区間をさす場合もある。
距離標
直轄河川の河川の両岸堤防の法肩に設置する標柱のことで、河口または河川の合流点からの距離を表す。流れの中心(流心)に沿って一般的には200mごとに、流心線に直交する線上に設置する。
護岸
堤防を流れのもつ侵食や浸透作用に対して保護するために設けられた構造物。
霞堤(かすみてい)
堤防のある区間に開口部を設け、その下流部の堤防を堤内地側に伸ばし、上流の堤防と二重になるようにした堤防。通常時には堤内地からの排水が簡単にでき、又上流で堤内地に氾濫した水を開口部よりすみやかに戻し、被害の拡大を防ぐ。
さ行
サイフォン
用排水路が河川などの河床を横断して設けられる工作物をいい、伏越(ふせこ)しともいわれる。
捷水路(しょうすいろ)ショートカット
河道の屈曲を修正し、洪水の疎通を良くするために開削される水路。
水衝部(すいしょうぶ)
河道の湾曲や河幅の広狭、砂州の形成などの原因により流水が集中して強い洗掘力や掃流力が生じる所。
水門
河川や水路を横断して設けられる流れの制御施設で堤防の機能をもつもの。施設が横断する河川あるいは水路が合流する河川の堤防を分断して設けられるものを水門という。
堰(せき)
河川の流れの水量や水位を調節、制御するため河道を横断して設けられる高さ15m未満の構造物。用途別として分流堰、取水堰、防潮堰、河口堰、構造上の分類として可動堰、固定堰がある。
水系(すいけい)
同じ流域内にある本川、支川、派川とこれらの関連する湖沼の総称。
支川(しせん)
本川に合流する河川のこと。さらに本川に直接合流する河川を「一次支川」、一次支川に合流するに合流する河川を「二次支川」という。
水制(すいせい)
河川の水による侵食等から川岸や堤防を守るために、川の流れる方向を変えたり、水の勢いを弱くすることを目的として設けられた施設。形状は様々なものがある。
た行
多自然川づくり
河川工事にあたって、生物の生息環境に配慮し、植生が復元する護岸や、水制などにより、河川が本来有する河岸や、瀬淵を保全・再生し、あわせて美しい自然環境を保全創出する川づくりをいう。
ダム
洪水調節、利水、発電のために河道を横断して建設される大規模構造物のことで高さが15m以上のものをいう。ダムは構造材料によってコンクリートダムとフィルダムとに分類され、コンクリートダムは重力ダム、中空重力ダム、アーチダムにフィルダムはアースダムとロックフィルダムに細分される。
堤内地・堤内、堤外地・堤外
堤防で洪水から守られている土地を堤内地といい、洪水や流水が流れる河川側を堤外地という。
堤防
堤防は流水を一定の流路内に局限して流下させ、その区域外に氾濫させない目的のために土砂などで築造した最も重要な河川工作物である。その築造位置や形状により本堤、副堤、霞堤、輪中堤、背割堤、横堤、越流堤といった分類がある。
床止め(とこどめ)
床止めとは河床の侵食を防ぎ、河床低下を防止するため河川を横断して作られる工作物で床固めともいう。
トンネル河川
下流部が密集した都市化地域で河川改修が河川の拡幅や分水路の建設といった通常の改修方式が困難な場合、地下にトンネルを掘り河川とすることがある。
な行
二線堤(にせんてい)
万一本堤が破損した場合、これ以上の洪水の氾濫を防ぐために、堤内地に築造される堤防。
は行
樋門・樋管
用水の取り入れ、内水の排水などのために堤防を横断する暗渠を樋門・樋菅と称し、樋門・樋管の区別はあまり、明瞭ではないが、比較的大きいものを樋門、小さいものを樋管という。近年では樋門の大きな沈下を許容できない従来の剛(ごう)支持樋門から、基礎基地の沈下を許容する柔支持(じゅうしじ)樋門へと転換を図り、堤体ならびに構造物の安全度向上へ努めている。
比流量
単位面積当たりの流量のこと。(qm3/s/km2=Qm3/s÷Akm2)q=比流量 Q=流量 A=流域面積
不定流河道のある点に於いて、水位や流量などが時間的に変化する流れをいう。
不等流←→等流
(不等流)時間的に流量が一定で、断面形及び勾配が縦断的に変化する流れをいう。
(等 流)時間的に流量が一定で、断面系が勾配や縦断的に変化しない流れをいう。
放水路
現河道の大幅な拡幅を避けるため、あるいは改修延長を短縮するために河川の途中から分岐して新川を開削し、直接海や他の河川、あるいは元の本川に放流する水路。(分水路ともいう。)放水路
法線(ほうせん)
堤防及び河道の平面的な形状を示す線をいい、堤防線などど呼ばれる。
本川(ほんせん)
流量・長さなどが最も重要と考えられる、あるいは最長の河川のことをいう。
排水機場(はいすいきじょう)
洪水時に市街地内の雨水等をポンプを動かして河川に排出する施設。
や行
遊水地(ゆうすいち)
河川に隣接した抵平地に流下洪水の一部を流入させて湛水地(たんすいち)とし、洪水時のピーク流量を低減させる治水施設。
ら行
落差工(らくさこう)
流水の下流エネルギーを落下方向に向けることにより低減させ、河床勾配を緩和させるために、流路を設けられる構造物をいう。河床より、構造物天端までの間に高さを有することから落差工と呼ばれる。
流下能力
河道で流下させうることが可能な流量をいう。
流域(りゅういき)
降雨や雪解け水などが地表や地下を通って、その川に流れ込んでいる全地域をさす。
わ行
輪中堤(わじゅうてい)
ある区域を洪水から守るために、その周辺を囲むようにつくられた堤防。木曾三川下流の濃尾平野輪中が有名。