想定最大規模の降雨による洪水浸水想定区域図のつくり方
想定最大規模の降雨による洪水浸水想定区域図とは、現在の流域(河川)の状況で、過去にその地域で実際に降った降雨から想定される最大規模の降雨【以下、L2】により堤防が決壊したり、溢れたりした場合に、その氾濫水により浸水が想定される範囲と浸水深を示すものです。
具体的な検討手順は、次の3段階です。



①雨の量を想定します。
ステップ(1) 降雨特性を考慮した地域区分の設定
・日本列島は、南北に長く、山脈が連なることか
ら、地域ごとに降雨特性が異なります。
・全国を降雨特性が似ている15の地域に分割。
(図1参照)
ステップ(2) 地域ごとの最大降雨量の設定
・(1)の各地域について、その地域で過去に観測さ
れた降雨データをもとに、降雨継続時間別、河川
の流域面積別に最大となる降雨量を算定します。
上記を検討した結果、遠賀川水系では、降雨継続時間は12時間とし、基準地点の「日の出橋」上流における降雨量は12時間総雨量592mmとしました。

※出典:浸水想定(洪水、内水)の作成等のための想定最大外力の
設定方法 (国土交通省)
②決壊地点ごとに氾濫シュミレーションを実施
今の河川の測量断面(200mピッチ)をもとに、①の降雨によって増えた川の水が、現在の堤防で安全に流すことができる最大の流量に達した時点で、堤防が決壊するものと想定し、氾濫する水の流れや広がりをシミュレーションしました。


※堤内地の内水は考慮していません。

③決壊地点ごとの氾濫シュミレーションの重ね合わせ
すべての破堤点のシミュレーション結果を重ね合わせ、各地点の最も深い浸水深を表示しました。

【参考】地盤高データについて
今回検討に使用した地盤高データは、航空レーザー測量結果を基本としているため、前回公表の地盤高データに比べ精度が良く、氾濫の流れが表現できるようになりました。

既公表(H14,18年)と今回公表(H28年)の条件比較
