遠賀川のすがた

遠賀川ってこんな川です

名前の移り変わり

  江戸時代の福岡藩の地誌、貝原益軒 『筑前国続風土記』の「河水記」によれば、遠賀川本流は「桑野川(嘉麻川)」「直方川」「木屋瀬川」「遠賀川(芦屋川)」などの名称がありました。

  遠賀川の本流・支流の名称は、時代によって変遷があります。また明治5~6年頃に編纂された「福岡県地理全誌」の遠賀郡の項にも「遠賀川」の名称は見られます。

【参考】
香月靖晴『遠賀川 流域の文化誌』(海鳥社)
解説協力
日本経済大学 教授 竹川克幸

遠賀川と九州を流れる他の主な川

 遠賀川の幹川流路延長は、九州内の一級河川(20河川)の中で、12番目の長さです。
 流域内の人口密度は約620人/km²と高く、九州の一級河川の中では上位の人口密度となっており、それだけ川との密接度が高く、ひとたび川が氾濫すると、大きな被害を受ける可能性が高い川と言えます。

遠賀川の課題と川づくり

 遠賀川は、流域人口約63万人(H17国勢調査)、都市化が進む地域もみられ、洪水に見舞われれば甚大な被害となります。
 流域は古くから洪水被害に見舞われており、最近でも、飯塚・直方地区で平成15年7月にも大きな洪水被害が発生しました。その後も度々出水があり、平成24年7月洪水では、基準地点日の出橋において既往最高水位を記録しました。
 現在、遠賀川水系河川整備計画に基づき、築堤や河道掘削、橋の架替え等の整備、古い施設の補修や改良等を進めるなど洪水対策を進めるとともに、自助・共助・公助の対応がきちんと機能するように、地域の方々や、関係機関と連携し一体となった防災の取組みを進めています。
 また、遠賀川では生態系の保全再生、水質、ゴミ問題も大きな課題です。地域の方々や関係機関と連携し、流域の子ども達が川とふるさとを大切に思う心を養い心豊かに育つような川の環境づくりや水環境教育、地域の方々のご協力を頂いている清掃・除草活動等を通して解決につなげていけるように取り組んでおります。

私たちの遠賀川、その未来へ

 豊かな自然環境を土壌に、太古から独自の歴史文化を持つ遠賀川とその流域。石炭産業時代の栄光と衰退を経、いま、新しい産業の発展の兆しを掴んだ流域には、多くの人びとが集まり新たな息吹が感じられるようになりました。そのようなふるさと川、遠賀川を、国土交通省は、「遠賀川水系河川整備計画」という今後約30年かけて行う川づくりの計画のもと、流域に住む私たち、そして子供たちの未来のために、みなさんに親しまれ愛される川として残していきたいと考えています。


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