大鶴湖周辺で、2018年に行った調査では、141科695種の植物が確認されました。大鶴湖では、ボタンウキクサやホテイアオイなどの水に浮かんで生育する植物やヨシなどの水際に生育する植物がみられます。大鶴湖の周辺ではスギ・ヒノキ植林が多くありますが、自然植生ではハナカガシ群落やジャヤナギ群落が見られます。
『きちょうな生き物』は、環境省レッドリスト2019に記載された種が13種、鹿児島県レッドデータブック2016に記載された種が291種(分布特性上重要な種208種を含む)確認されました。
※(○~○月)開花時期
ハナガガシブナ科 陸上植物 (4~5月) 四国と九州南部に分布し、山の斜面の下部から平地に生育する。常緑の高木で葉が細長いのが名前の由来。 環:危惧 II 類 鹿:危惧 II 類
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ジャヤナギヤナギ科 陸上植物(湿生植物) (3~5月) 河川の中流から下流にかけて多く見られる高木で、高さは15mにもなる。川内川では群落がみられる。 鹿:分布重要(南限)
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セイタカアワダチソウキク科 陸上植物 (10~11月) 北アメリカ原産の多年草。河原や空き地に群生する。高さは1~2.5mで、秋に黄色の小さな花を多数つける。 要注意外来生物 |
セイタカヨシイネ科 陸上植物 (8~10月) 河川中流から下流域の川岸や海辺の砂地に生える多年草。ヨシよりも大型で、高さは4~5mになる。別名はセイコノヨシ。
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ツクシガヤイネ科 抽水植物 (8~10月) 川や沼などの湿地に生える。高さ約1mの多年草で、株を形成して群生する。限られた地域に隔離分布する。 環:危惧 II 類 鹿:危惧 I 類
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アシカキイネ科 抽水植物~湿生植物 (8~10月) 水辺に生える多年草。茎を伸ばし節々から芽と根を出して広がる。池では水際から成育し水面に浮かんで広がる。 鹿:危惧 II 類
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タヌキモタヌキモ科 浮遊植物 (7~8月) 根はなく、池などに浮遊する多年草。捕虫嚢という袋を持ち、ミジンコなどを捕らえて消化吸収する食虫植物。 環:準絶滅
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ヒシヒシ科 浮葉植物 (7~9月) 沼や流れの緩やかな所に分布する一年草。泥の中に根を下ろし、水面に多くの葉を付ける。実は食べることができる。 鹿:分布重要(南限)
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ジュンサイスイレン科 浮葉植物 (5~8月) 水深1~2mのため池などに群生する。水面に楕円形の葉を浮かべ、赤紫色の花をつける。若い芽は食べられる。 鹿:危惧 II 類 |
オオフサモアリノトウグサ科 沈水植物 (4~6月) ブラジル原産の水草で、観賞用に持ち込まれたものが野生化したもの。池や沼、流れの緩やかな河川に生育する多年草。 特定外来生物
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ボタンウキクササトイモ科 浮遊植物 熱帯地方原産の水草で、湖やため池の水面に浮かぶ。大鶴湖でも夏から秋に多く見られる。花はめったに咲かない。 特定外来生物
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ホテイアオイミズアオイ科 浮遊植物 (8~10月) 南米原産の水草で、湖沼やため池の水面に浮かぶ。ボタンウキクサと同様に夏から秋に多く見られる。紫色の花が咲く 要注意外来生物
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オオルリソウムラサキ科 陸上植物 (7~8月) 山間の草地に生える二年草。高さは90cmくらいになる。花は4mmほどで淡い青色である。オニルリソウに似ている。 鹿:準絶滅
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アオミズイラクサ科 陸上植物 (7~10月) 山地の湿気のあるところに生える一年草で高さは40cmくらいになる。葉のつけ根に淡い小さな雌花と雄花をつける。 鹿:危惧 II 類滅
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タシロランラン科 陸上植物 (5~7月) 緑の葉はなく、菌類と共生する腐生植物のなかま。高さは50cmくらいになり、12mmくらいの白い花をつける。 環:準絶滅 鹿:危惧 II 類
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チャンチンモドキウルシ科 陸上植物 (5月頃) 日本では九州南部にまれに自生している落葉樹で、高さは25mほどになる。赤褐色の小さな花をつける。 環:危惧 I B 類 鹿:危惧 II 類
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河川や湖沼の水辺には、生活様式の異なる様々な植物が生育しています。それぞれの生活様式を分類すると次のとおりです。
根は固定せずに水に浮く植物。水面に浮かぶものと水中を漂うものがある。
水の底に根を張っていて、植物の本体は水に沈む。
水の底に根を張っていて、葉は水に浮く。
水の底に根を張っていて、茎が水面から突き抜ける。水が引いた場所(地下水位50cm以下)でも生育する。
※抽水植物の中には、生育環境に応じて沈水植物であったり、湿生植物であったりするものがあります。
湿ったところに生育する植物。
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