遠賀川のすがた

遠賀川流域について

気候について

 遠賀川流域の気候は、ほぼ全域が日本海型気候区に属しています。
 遠賀川流域の年平均降水量は1,500~2,000mmで、年間降水量の3~4割が集中する梅雨時に洪水が発生します。

自然環境について

 流域は三方を福智山地、英彦山地、三郡山地といった山々に囲まれ、国定公園や県立自然公園に指定されており、四季の彩りに恵まれた渓谷など、豊かな自然環境に恵まれています。一方、流域内で一番大きな川、彦山川は英彦山を源にしていますが、合流する支川はほとんどが急流河川であるため、大雨に際には短時間に洪水を起こしやすい一面も持っています。

三郡山地・福智山・英彦山

歴史文化について

 遠賀川流域では、北九州市から伊勢湾地域まで広い範囲に分布する弥生時代(紀元前3世紀頃から3世紀頃)の初期の土器である遠賀式土器が発見され、また、桂川町では王塚古墳、宮若市では竹原古墳が発見され、全国でも貴重な古墳時代(3世紀末から6世紀中頃)の古墳として、国特別史跡に指定されています。

遠賀式土器・王塚古墳・竹原古墳

 その他、田川市では、永禄年間(1558~70)から今日まで450年以上も続く伝統の「風治八幡宮川渡り神幸祭」があります。筑豊地域に初夏の訪れを告げるこの祭りは、福岡県の五大祭りの一つに数えられ、県の無形民俗文化財第1号に指定されており、毎年5月に開催されます。2基の神輿と色鮮やかなバレンや緋幟をつけた11台の山笠が、五穀豊穣と天下泰平を願って彦山川を渡ります。

風治八幡宮川渡り神幸祭

人口密度と土地利用について

 流域内の人口密度は約620人/km²と高く、九州の一級河川の中では上位の人口密度となっており、それだけ川との密接度が高く、ひとたび川が氾濫すると、大きな被害を受ける可能性が高い川と言えます。
 流域の土地利用は、山地等が約80%、水田や果樹園等の農地が約14%、宅地等市街地が約6%となっています。流域の土地利用の特徴としては、北九州市に隣接する中間市、水巻町では、北九州市のベッドタウンとして、福岡市へ通勤圏に位置する飯塚市周辺では、福岡市のベッドタウンとして宅地開発が進んでいます。

遠賀川上流・中流・下流

産業について

 流域は、水田地帯が多く、穀倉地帯として栄えてきました。また、石炭を主力エネルギーとした産業構造の時代には、筑豊平野のいたるところに炭鉱が見られ、一時期遠賀川がその運搬路として活躍し、日本の近代化や発展の原動力として栄えました。
 しかし、昭和30年代に始まるエネルギー革命の影響により、筑豊炭田は大きな打撃を受け、昭和51年の貝島炭鉱の閉山を最後に、筑豊から炭鉱の姿は消えてしまいました。
これに変わり現在は、田川地区を中心とするセメント工業や、宮若市の自動車生産工場などが発展してきています。

川ひらた・ボタ山・自動車産業


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