かわまちづくりとは、地域が持つ「資源」や地域の創意に富んだ「知恵」を活かし、市町村や民間事業者、地域住民と河川管理者が連携して、河川空間とまち空間が融合した良好な空間形成を目指す取り組みです。
球磨川水系では、清流・球磨川が擁する豊かな自然環境や、川とともに育まれてきた多彩な生活文化を生かしながら、現在、球磨村「淋地区」、八代市の「新萩原橋周辺地区」及び「坂本地区」、そして人吉市「人吉地区」の2市1村、4つの地区でかわまちづくりが進められています。
※ 各々のかわまちづくりの詳細は、地図の地区名をクリックするとみられます。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
総面積の約88%を山林が占める球磨村では、くま川下りやラフティングなどの球磨川を活用した観光資源や、九州最大の鍾乳洞である球泉洞など、豊かな自然環境の恵みを満喫できる「自然環境と地域資源を活かした交流の場づくり」による魅力ある村づくりを進めてきました。
淋地区では、地元の方や観光客の安全な水辺利用を目指し、平成21年にかわまちづくり計画が登録され、地域のみなさんと利活用や整備について検討を重ね、平成23年度に管理用通路や低水護岸等の整備が完了しました。
|
![]() 下流側(平成24年(2012年)撮影)
|
![]() 利用状況(平成24年(2012年)撮影) |
新萩原橋周辺の球磨川河川緑地は、ウォーキングやジョギング、野球やサッカー、陸上等の大会や練習に利用されているほか、「九州国際スリーデーマーチ」や「やつしろ全国花火競技大会」をはじめ、年間を通じて多くの市民や観光客に利用されています。
この地区では、地域の活性化と治水・河川利用の安全性向上を目的とした新たな水辺空間の創出を目指し、平成27年にかわまちづくり計画が登録されました。住民を中心とした実行委員会等で水辺の整備や利活用についての検討を重ね、現在は、遙拝八の字広場が整備され、球磨川の水辺空間を活かしつつ、八代市街地のまちづくりと一体となった“かわまちづくり”を進めています。
![]() 遙拝八の字堰 |
![]() 遙拝八の字広場(キャンプ利用) |
![]() やつしろ全国花火競技大会 |
球磨川の中流部に位置する坂本地区には、下代の瀬など連続する瀬・淵があり、豊かな自然環境を形成するとともに、「道の駅坂本」を中核にして、周辺にはレジャー施設や見どころも点在しています。坂本地区では、球磨川とまちづくりが一体となった新たな水辺空間の創出を目指し、平成30年にかわまちづくり計画が登録されました。
令和2年7月豪雨の影響で事業が一時中断しましたが、坂本町復興まちづくり計画や「道の駅坂本」周辺の整備計画など、坂本町の復興に向けた方針が示されたことを受け、令和5年に「坂本地区かわまちづくり実行委員会」が再開し、「道の駅坂本」周辺では、アユ料理の提供やカヌー遊び、川遊び等の利活用推進が計画されるなど、坂本町の復興と連携しながらかわまちづくりに取り組んでいます。
![]() 荒瀬ダムボートハウス跡地周辺での川遊び (平成29年(2017年)撮影) |
![]() 川から見る荒瀬ダム跡 (令和6年(2024年)撮影) |
![]() |
![]() |
荒瀬ダムボートハウス跡地から道の駅坂本まで川下り体験(令和6年(2024年)撮影) |
市街地の中心部を球磨川が貫流する人吉市は、日本遺産にも登録されている相良700年の歴史や温泉・焼酎といった地場産業など、地域の宝を活用したまちづくりに取り組んできました。
これらの取り組みをより充実させるため、令和2年3月にかわまちづくり計画が登録されましたが、令和2年7月豪雨により、かわまちづくり対象地域を含む広範囲が被災しました。災害復旧から復興の段階へ移行する中で、人吉市の「復興まちづくり計画」をはじめとした様々な計画が策定され、かわまちづくりも国・県・市の復興に係る事業と連携をはかるため、地域が主体となってかわまちづくりの計画の変更を検討し、令和6年8月に変更登録を行いました。
変更後のかわまちづくり計画では、水辺の整備によって安全性や親水性を向上させるとともに、人吉城跡や青井阿蘇神社といった歴史的資産や人吉市街地と球磨川を繋ぎ、清流・球磨川の魅力を活かした川下りやカヌーなどのリバーアクティビティのほか、様々な観光振興を促進して、地域活性に役立てることを目指しています。
![]() 夜の球磨川くだり |
![]() ラフティング |
![]() 川辺のテーブル(社会実験) |
Copyright (c) 国土交通省 九州地方整備局 八代河川国道事務所.All Rights Reserved.