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肝属川水系河川維持管理計画

はじめに

 河川は、水源から山間部、農村部、都市部を流下し海に至る間において、それぞれ異なる地域特性を有している。また、土砂の移動や植生の変化等によって長期的に変化していくが、その変化は必ずしも一様なものではなく、洪水や渇水等の流況変化によって、時には急激に変化するという特性を有する。
 さらに、河川の主たる管理対象施設である堤防は、延長が極めて長い線的構造物であり、一部の決壊によって一連区間全体の治水機能を喪失してしまうという性格を持ち、原則として土で作られているため材料品質が不均一であるという性格も有している。
 上記のように河川は自然の作用等によって常に変化することから、堤防等の施設の整備や河道の掘削を実施しても、その維持管理が十分に行われなければ、年月を経るにしたがって、堤防等の施設の脆弱化や老朽化、河道の洗掘・土砂堆積・樹林化が進行するなど、洪水を安全に流下させることが困難となる。したがって平素から、河道や堤防等の施設を良好な状態に保全し、その本来の機能が発揮されるように計画的に維持管理する必要がある。
 河川維持管理の目的は、上記に記述する洪水等に対する安全性の確保のほかに、安定した水利用の確保、河川環境の保全、適正な河川の利用の促進など多岐にわたっており、具体的な維持管理行為は、河道流下能力の維持、堤防等の施設の機能維持、河川区域等の適正な利用、河川環境の整備と保全等に関して設定する「河川維持管理目標」が達せられるよう、河川の状態把握を行い、その結果に応じて対策を実施することが基本となる。
 また、持続可能な維持管理を行っていくためには、効率化・高度化のための技術開発、コスト縮減等への取り組みが必要である。
 この河川維持管理計画は、長年の経験等に培われて実施されてきた河川維持管理の適確性と効率性の向上を図りつつ、河川整備計画に沿った計画的な維持管理実施するために、河川維持管理の具体的な内容を定めたものであり、計画の対象期間は概ね5年間としている。
 なお、本計画は、河川の状態変化の把握とその分析・評価の繰り返し、河川維持管理の実績、出水等の履歴、他河川での経験等による知見の蓄積のほか、社会経済情勢の変化等に応じて、PDCAサイクルの体系に基づき適宜見直しを行う。

 

   肝属川水系河川維持管理計画