桜島の防災事業

砂防事業では、「砂防施設を建設することによって土石流災害を防止する」取り組みと、「犠牲者を出さないように情報管理や安全管理を行う」取り組みとの両面から、命と財産を土砂災害から守り、豊かな自然を保全しながら、人と自然が共存できる環境づくりをめざします。

土砂災害から命や暮らしを守るために

桜島では火山灰等の噴火堆積物が雨によって押し流される土石流が連続的に発生しています。 国土交通省 大隅河川国道事務所では、このような土石流から、住民の尊い命や生活を守るために、鹿児島県や鹿児島市などの関係機関と連係して土石流対策に取り組んでいます。
また、大きな噴火に伴って発生する溶岩流や火砕流といった恐ろしい火山災害から、人々の生命を守るための警戒避難対策についても、その支援に取り組んでいます。

桜島砂防事業の背景

昭和47年以降、南岳の活動が活発化。山腹の荒廃が進み、土石流が頻発に起こるようになりました。昭和49年には県の砂防工事関係者が作業中に土石流にまきこまれ8名死亡するなど、土石流対策は困難を極めました。また、火山地域における土石流対策は多額の費用を要するばかりではなく、活動中の火山という特殊な条件もあり、技術的に困難であったため、国による対策を求める声が大きくなり、昭和49年から調査を開始、昭和51年から直轄砂防事業に着手し、現在、野尻川などの10河川で砂防えん堤・導流工などの整備を実施しています。