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桜島の悩み

桜島の河川分布

桜島には19の河川が島の中心から放射状に分布しています。南側から東側にかけては噴火活動中の南岳山頂を源とする7河川(野尻川・春松川・持木川・第二古里川・第一古里川・有村川・黒神川)があり、火山灰を多く堆積させています。桜島北側は、北岳の山腹斜面に始まり下流は扇状地地形になっています。海岸沿いには集落が発達しており、果樹や野菜などの農業も盛んです。南岳の影響は受けにくいものの山体が崩れやすい軽石層からなっており、侵食が進行しています。

土石流災害の歴史

桜島の河川は、水無川とよばれ、水が流れていませんが活発な火山活動のため、山体は荒廃し、少ない降雨でも土石流が発生し、下流域まで流出した土砂が住民や人家に被害を及ぼしてきました。

昭和20年以降の主な土砂災害

河川名被害
S21.05.10 第一古里川 河川敷で土石流に巻き込まれ死者1名。
S24.08.12 第一古里川 海岸で船の引き上げ中、土石流に巻き込まれ死者1名。
S39.07.19 有村川 河口で薪拾い中、土石流に巻き込まれ死者1名。
S43.06.30 野尻川 他 野尻川では橋桁が破壊され、他の河川でも国道に土砂が氾濫。
S49.06.17 野尻川 他 工事現場で土石流に巻き込まれ死者3名。
S49.08.09 第二古里川 河道内で工事中、土石流に巻き込まれ死者5名。
住宅全半壊2戸・死者1名。
S51.06.24・25 野尻川 死者1名、住宅全壊1戸、半壊1戸。
S55.11.13 全島 土石流により家屋の浸水が38戸生じた。
S58.02.02 金床川 ホテル・住宅災害、国道に500立方メートル土砂氾濫。
S59.04.19 持木川 国道に1,500立方メートル土砂氾濫。
S59.08.25 第二古里川 流出土砂量約30万立方メートルを観測(観測史上最大の土石流規模)。野尻橋付近で5万立方メートルの土砂が氾濫し、野尻橋破壊。
S60.07.02・03 全島 各河川で土石流発生(観測史上最多の土石流発生回数)。野尻川では2日で6回発生。
S63.08.22・23 野尻川 他 国道へ3,500立方メートルの土砂が氾濫し、砂防施設が被災。
H03.06.28 野尻川 他 桜島で20分雨量54ミリ、時間雨量101ミリを記録(最大短時間雨量を記録)。
各河川で土石流が発生、野尻川で砂防施設が被災。

過去の土石流災害

野尻川(昭和50年9月17日)

野尻橋より上流で堆積した土石流

国道224号野尻橋ではねあがった土石流


野尻川(昭和57年7月24日)

国道224号に氾濫した土石流


持木川(昭和57年7月24日)

土石流で流出した持木橋


野尻川(昭和57年9月21日)

野尻橋付近で堆積した土石流


第二古里川(昭和58年2月2日)

国道224号古里温泉街に氾濫した土石流


第二有村川合流点(昭和58年3月2日)

土石流により閉塞した市道橋


第二古里川(昭和59年4月19日)


国道224号古里温泉街に氾濫した土石流


黒神川(昭和59年6月8日)

県道24号に氾濫した土石流


野尻川(昭和59年8月25日)


野尻橋付近に堆積した土石流


野尻川(昭和62年5月1日)


土石流により流出した堰堤袖部約140tの流出


たびたび発生する土石流の威力により摩耗が進む砂防施設