【1】開催日時
平成8年1月27日(土) 13:00~16:00
【2】開催場所
チサンホテル熊本(2階、あその間)
熊本市辛島町4-39 TEL 096-322-3911
【3】出席委員(敬称略)
- 熊本大学法学部教授 江藤 孝
- 熊本大学理学部教授 岩崎 泰頴
- 九州共立大学学長 長 智男
- 九州東海大学農学部教授 戸田 義宏
- 熊本県立大学総合管理学部長 米沢 和彦
- 熊本県知事 福島 譲二
- 人吉市長 福永 浩介
- 相良村長 高岡 隆盛
- 五木村長 西村 久徳
- 熊本県議会議員 高田昭二郎
- 相良村議会議長 恒松 新
- 五木村議会議長 照山 哲榮
【4】報道関係 11社26名
(テレビ)
- NHK、KAB、KKT、RKK、TKU:計5社
(新 聞)
- 熊本日日新聞、毎日新聞、読売新聞、朝日新聞、西日本新聞、共同通信:計6社
【5】配付資料
1.議事次第
2.第2回川辺川ダム事業審議委員会議事要旨(案)
3.川辺川ダム事業にかかわる論点(案)
4.第3回川辺川ダム事業審議委員会に出席の参考人のプロフィール
5.地域づくりの経緯について
6.ダム事業審議委員会
【6】議事次第
1.委員長挨拶
2.議事
3.[1]論点の整理
[2]参考人からの意見聴取
[3]審議
[4]今後の方針
【7】審議内容
1.第2回委員会議事要旨(案)について
・原案のまま全会一致で了承。(委員会終了時に傍聴記者に配布。)
2.論点の整理について
- 原案のまま全会一致で了承。(委員会終了時に傍聴記者に配布。)
但し、ダム計画に関する論点のうち、かんがいの「代替水源の可能性」と「同意取得方法の妥当性」については、現在、行政不服審査法に基づく口頭審理等別の場で議論されていることもあるので、このようなダムに付随する問題をどこまで議論するかということについては、審議の中でその方向性を見いだしていきたい。本委員会ではダムそのものの問題を中心に取りあげるという方向で審議を行いたい。
3.参考人からの意見聴取について
1)参考人からの意見聴取に先立ち、市民団体からの傍聴希望に対する審議
- 参考人からの意見聴取に関しても、従来どおり熊本県政記者クラブ13社への公開とすることを全会一致で了承。
2)熊本学園大学商学部教授 牛島盛光 氏からの意見聴取
- 五木村は民俗学的にもダンナとナゴの関係(土地所有関係)として特徴づけられ、封建遺産として階層的な社会が残っていた。従って、水没予定地の動向をダンナが握っていた。また、それぞれのダンナも異なった水没団体に所属していたため、複雑な経緯がある。
- 川辺川ダム建設問題は、戦争に例えれば終戦処理の時代に入っていると思われる。計画発表当時、反対していたリーダー達は高齢化しており、今のうちに、川辺川ダムに関する計画発表当時からのみんなが費やしたエネルギーなどの聞き取り調査及び資料収集を実施する必要がある。川辺川ダム資料センター(仮称)等の建設により、目に見える形で歴史として残しておく必要がある。
- 頭地代替地に関して、立派な土地利用計画が決定されているが、まだまだ総論的で抽象的であり、今後は具体的なアクションプログラムを定めて実施していく必要がある。手はじめに歴史民俗資料館から具体的に着手してはどうか。 3)山口大学人文学部教授 小川全夫 氏からの意見聴取 ・ダム建設予定地は一般的に中山間地域であり、地域振興の条件不利地域である。
- 議会や首長も代議や任期の限界等があるため、その地域に、これからも住もうとする若者と婦人を含め、早く地域振興の直接的・継続的な主人公となる人材・組織の育成が必要。
- 行政においても、しっかりとした政策論議を推進するため、村に国・県からの出向を受け入れたり、国・県へ出向したりして、新たな視点や経験を踏まえて政策立案をする必要がある。
- これからの地域振興を考える場合は、産・官・学・野のそれぞれの持ち味を生かした連携が必要。
- 常に、これしかないという解決策ではなく、(もう一つの)解決策の検討が必要。
- 村おこし→村のこし、町づくり→町つかい、という発想の転換が必要。
- そのためには、これからもその地域に住もうと思う住民(選択住民)の確認と確保が必要。
- 今や、地域の基幹産業は農林業という常識がとおらない時代なので、あらためて地域産業の見直しが必要であり、交流産業の育成が必要である。
- 声の大きい者の言うことが正しいとの錯覚がある。これを是正するためにも審議会は反対意見・少数意見の意向を反映することが望ましい。
4.地域づくりについての質疑(五木村の村づくりについて)
- ダム反対は、水没地の反対が一般的。川辺川ダムの場合も当初は水没地の反対があり、裁判等の経緯を経て苦渋の選択で川辺川ダム建設に同意という現状に至っている。五木村においてはダンナとナゴの関係があり、地域づくりが難しいと思われる。誰が主人公かのプロセスが見えず危機的な状況と思われる。
- 五木村は世帯数が減ってきたが、基本的なダム反対の声は今はない。村づくりに全力投球できるのは今であり、村づくりに対するアクションプログラムをたて、行動を起こすべき時は今しかない。
- 村づくりの主人公づくりが効果的であり、人材養成が必要。
- 村としても、村づくりの基本事項が決まった段階であり、これから具体的な行動を起こすことにしている。若者が定住できる職業の確保が必要であるとともに、離村に対する歯止めのため、地域振興に重点を置いたダム事業が必要である。
5.今後の方針について
- 2月中に学識経験者による五木村民からの意見聴取を現地で行う方向で調整に入る。
- 3月中に治水計画をテーマとした第4回ダム審を開催し、治水の専門家を参考人として招致する。
6.ダム事業審議委員会への申し入れについて
(第2回委員会以降、当日までに事務局に届いた申入書)
1)「審議委員会の公正・中立な運営を求める申入書」
(申入者)・清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会
・ダム問題を考える市民の会
・球磨川から全てのダムを無くす会
・孫子に残そう清流球磨川じいちゃん・ばあちゃんの会
2)「五木村再建のための調査立案専門委員会設置を求める申し入れ書」
(申入者)・同上
3)「川辺川ダム事業に地域住民の意見を反映させるための申し入れ書」
(申入者)・同上
4)「八代市で第二回公聴会の開催を求める申し入れ」
(申入者)・八代市内有志連署
5)「申入書」
(申入者)・五木村水没者地権者協議会
6)「申入書」
(申入者)・川辺川ダム対策同盟会
・五木水没者対策協議会
(その対応について)
- 従来どおり、申し入れに対しては以下のとおりとする。(全会一致で了解)
申し入れは事務局で受け取り、委員会に伝える、という形態にしたい。
文書で回答してほしいとの要望に対しては、基本的には文書では回答しない。
委員会で意見をまとめれば、文書になる。委員長単独での回答は避けたい。
審議委員会で意見を十分反映させるということで整理したい。