【1】開催日時

平成8年7月13日(土)  13:00~15:00

【2】開催場所

チサンホテル熊本(2階、あその間)
熊本市辛島町4-39  TEL 096-322-3911

【3】出席委員(敬称略)

  • 熊本大学法学部教授(委員長)江藤  孝
  • 熊本大学理学部教授     岩崎 泰頴
  • 九州共立大学学長      長  智男
  • 九州東海大学農学部教授   戸田 義宏
  • 熊本県立大学総合管理学部長 米沢 和彦
  • 熊本県知事         福島 譲二
  • 熊本県議会議員       高田昭二郎
  • 人吉市長          福永 浩介
  • 相良村長          高岡 隆盛
  • 五木村長          西村 久徳
  • 相良村議会議長       恒松  新
  • 五木村議会議長        照山 哲榮

【4】報道関係  12社22名

(テレビ)
  • NHK、KAB、KKT、RKK、TKU:計5社
(新 聞)
  • 熊本日日新聞、毎日新聞、読売新聞、朝日新聞、西日本新聞、共同通信、人吉新聞:計7社

【5】配布資料

1.議事次第
2.第7回川辺川ダム事業審議委員会議事要旨(案)
3.審議委員会の公開について
4.各団体等からの申し入れ等について
5.総括質問等に対する説明資料
6.照山委員配付資料(発言要旨文を含む)
7.川辺川ダム事業審議委員会開催経緯及び概要
8.川辺川ダム事業にかかわる論点

【6】議事次第

1.委員長挨拶
2.議事
 [1]第7回ダム事業審議委員会議事要旨の確認
 [2]総括質問等についての説明
 [3]市民団体等からの申入書について
 [4]これまでの活動内容、審議内容等の確認
 [5]審議
 [6]今後の方針等

【7】審議内容

1.第7回ダム事業審議委員会議事要旨(案)について

  • 原案のまま全会一致で了承。(傍聴記者に配布)

2.報道についての申し入れについて

  • 報道機関から再度申し入れがあったので、どういう形で審議委員会の公開を考えているかを文書にした。この趣旨に間違いがないか確認する。
  • 「審議委員会の公開について」を配布し、委員長より説明
    本審議委員会は、その公開について、審議の円滑性と審議内容の透明性とを比較考量し、委員会自体については、審議の円滑な遂行への協力と正確な報道を要請した上で、報道機関(県政記者クラブ所属13社)に対して原則公開すること(傍聴取材を認めること)とし、委員会議事要旨等の会議資料については、委員会の確認を経て、一般に公開すること(一定の場所で一定期間閲覧に供すること)とした。(全会一致で了承)

3.各団体からの要望等について

  • 住民団体からの要望等の申し入れについては、先の「審議委員会の公開について」で確認した公開についての原則を踏まえた上で、十分意見は参考にするが、傍聴等については従来どおりとする。(全会一致で了承)

4.総括質問等に対する説明資料により説明

(ダム計画、環境、地域づくり、その他関係分)

[1]10年に一度の渇水に対処できる計画に対して、それ以上の渇水が発生した場合の対処のしかたについて
[2]川辺川ダムを立野ダム(自然調節方式)のような治水ダムに変更することについて
[3]清水バイパスにより、水、土砂を直接下流に送ることについて
[4]ダムのコンクリート用骨材の採石場(原石山)やその取り付け道路についての地元の了解について
[5]環境調査は、川辺川本流だけでなく支流とその周辺についても行う必要があるとの指摘について
[6]ダム建設前後での下流水質の変化、及びダム建設後のモニターについて
[7]川辺川ダム貯水池の酸欠防止対策について
[8]ダム湖に溜まる底泥の堆積及び汚濁の解消対策について
[9]ダム建設後の水質、水温モニター、小規模地震、動植物の動態、造成地の崩壊等についての追跡調査について
[10]五木村再生に向けての建設省の支援体制について
[11]農林業をはじめとする五木村への補助対策について
[12]五木村へのアクセス道路である国道445号や主要地方道宮原五木線の計画について
[13]ダム建設後の具体的な球磨川水系の河川環境計画(ダム周辺環境整備、水質保全等を含む)について
[14]ダム関連事業の進捗状況について
[15]関係市町村議会等でのダム促進決議について
[16]今後事業を進めていく過程で発生する問題の解決について、その都度話し合って解決することとの意見について

○総括質問等に対する説明についての質疑等

  • ダムの貯水池の環境については、水質と裸地が心配である。特に頭地代替地周辺は、水質や景観に配慮する必要がある。そのためにも、副ダムの建設と清水バイパスの取水位置については地元の意見を聞きながら検討していく必要がある。また、メリケンムグラの植生など裸地対策の検討が必要である。
  • 環境調査については、支川についても調査しているが、源流が非常に大切になってくる。環境問題は、河川審議会等で議論されており、その答申における方策を踏まえ、必要に応じて環境調査等についても考慮していくことが必要である。
  • 五木村の再生に向けて「五木村ルネッサンソン」を策定した。ダムを契機として代替地、橋、道路等の整備を行い「ダムで栄えた村は五木だ」となるよう地域振興に努めたい。そのためにも、人材面、財政面で国、県の支援が必要である。建設省所管だけでなく、もっと総合的に関係機関との連携を取りながら進めることが必要である。
  • 関係市町村議会等でのダム促進決議について、建設省が確認したところでは16市町村でダム促進の決議がなされている。八代市、芦北町ではダム促進、反対いずれについても決議はないが、流域市町村長で構成している川辺川ダム建設促進協議会では、八代市長は副会長であり芦北町長も参加していただいている。
  • 人材育成は早急にやらなければならない問題である。五木村民の方々の意見聴取で発言のあったように、民間の立場からの活性化あるいは地域づくりに努めている方々もおり、それらの団体の活動については、建設省も五木村と協力しながら支援している状況であるが、今後も続けていくことが大事である。
  • 川辺川の利水事業によって農家が受ける不利益はないのであるが、人材不足、勉強不足の観がする。これらの地域の農業をどう展開させるか、その見通しをよく示して、灌水・かんがい営農を自信を持ってできるというように営農指導をすることが重要である。
  • 市房ダムとの統合管理について、市房ダムを改良した上での統合管理も考えられるが、事業費、河川改修計画等を考慮すると、昔のダムを改良するより新しいダムで統合管理できるようにした方が現実的である。
  • 五木村のルネッサンソン計画は観光にも力を入れるとなっているが、そのためには、大型観光バスが通れるように道路事情を良くすることと、もっと人に知ってもらうように宣伝することが重要ではないか。
  • 保護林の問題については、建設省サイドでは解決できないものが多いと思うが、農林水産省関係ともどう進展していくのか見据える必要がある。次回委員会までに説明願いたい。ダムを造ったその周辺については、山の管理を強固にするための特別立法などお願いできないか。
  • ダムができる地域には、浄化槽など設置しないと汚濁が広がるのではないかと思われる。何らかの措置法はできないかということで努力をお願いする。
  • 河川法の制限については審議委員会で取りあげにくい内容であり、弾力的運用について当事者間で話してもらいたい。
  • 熊本県議会では昭和51年まで5年間、相当な勉強をしてきて、昭和51年に川辺川ダムの建設を大多数によって議決した経緯がある。そういう観点から、1年も2年も長引かせて審議するということは、議会の権威にもかかる。

5.市民団体等からの申入書について

  • 「各団体等からの申し入れ等について」は、市民団体等からの申し入れ、要望書等を参考にして、本審議委員会が問題点を整理し、判断を示したものである。
    [1]審議委員会の公開については、冒頭に説明したとおり。
    [2]審議委員会の期間についても、期間設定はしていない。
    [3]日程についても、報道機関を通じて広く一般の方々にも公表している。
    [4]資料公開については、冒頭に説明したとおり。
    [5]公聴会については、人吉での公聴会ですでに住民のご意見は十分出されたのではないか。また、配布しているいろいろな団体からの参考資料においてもいろいろなご意見があるので、それも加えれば十分意見は出されている。
    (再度の公聴会開催については、必要なしということを全会一致で了承)
    [6]専門委員会については、参考人から専門的な意見ないしは本問題に関心を持っている方のご意見を聴いていること、また、委員の専門的立場での報告を受けていること、さらに、事業者である建設省・農林水産省から説明を受けていること等、専門委員会に匹敵する審議を行うよう努力してきた。したがって専門委員会を特に設けるに至っていない。
    [7]かんがい事業については、国の行政的な判断として確定した、農林水産大臣の異議申立棄却・却下の決定を前提とせざるを得ない。将来司法判断がでたときは、その時点でそれを尊重しなければならないことは当然である。また、利水事業における需要量がダムを考える上で重要であるが、農林水産省、建設省からの「計画変更によって特にダム計画への著しい影響はない」との説明を前提にせざるを得ない。
    [8]水没地域からの申し入れについては、他の団体と同様、傍聴等は認められないが、できる限り早期に結論を出すよう努める
     (「各団体等からの申し入れ等について」を全会一致で了承)

6.これまでの活動内容、審議内容等の確認

  • 「川辺川ダム事業審議委員会開催経緯及び概要」は、これまでの委員会議事要旨をもとに一覧できるようにまとめたものである。(全会一致で了承)

7.今後の方針等

  • そろそろ最終的な判断を委員会としてもすべきであると思われる。
  • 各委員が結論(継続、見直し、中止)及び、治水、ダム計画、環境、地域づくり、その他に対する意見を提出し、委員長が取りまとめを行い、次回委員会までに答申の案文を作成する。(全会一致で了承)
  • 次回委員会は8月に行う。日程の調整は後ほど行う。(全会一致で了承)

8.ダム事業審議委員会への申し入れについて

(第7回委員会以降、当日までに事務局に届いた申入書)
1)「要望書」
  (申入者)・川辺川ダム対策同盟会
        ・五木水没者対策協議会
2)「抗議文」
  (申入者)・清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会
        ・ダム問題を考える市民の会
        ・球磨川から全てのダムを無くす会
        ・孫子に残そう清流球磨川じいちゃん・ばあちゃんの会
3)「申し入れ書」
  (申入者)・清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会
        ・ダム問題を考える市民の会
        ・球磨川から全てのダムを無くす会
        ・孫子に残そう清流球磨川じいちゃん・ばあちゃんの会
4)「要求書」
  (申入者)・国営川辺川土地改良事業変更計画取り消しを求める訴訟団と支援する会
5)「申し入れ書」
  (申入者)・人吉温泉旅館組合
6)「五木住民に対し希望のある選択を可能とする措置の提示を求める申し入れ書」
  (申入者)・五木の未来を開く会(準備委員会)     

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