アザメ新聞は相知町佐里下地区で行われる自然再生事業の進展をお伝えする新聞です。
この事業は住民参加の事業でどなたでも検討会に参加できます。
Vol.1では3回の検討会と1回のシンポジウムを紹介しました。
さて、Vol.2ではアザメの瀬地区において現地見学会を実施しましたので状況を紹介します。国土交通省武雄工事事務所の若手職員が編集担当者となって参加者の一員として報告していきたいと思います。
「現地見学会」開催!
1月25日、27日の両日で現地見学会を開催しました。第3回検討会の際に「現地を見て今後の話を進めよう」と関心の高い住民の方からの貴重な意見に基づき実施しました。25日は44名、27日は11名の参加がありました。
当日は非常に寒かったにもかかわらず、大勢の方が熱心に現地を歩き回られ、今後のアザメをどうするのか真剣に考え、色々な意見を頂きました。また、地元 松本さんの指導のもと、投げ網を駆使して魚をとる若手職員もいました。やはり季節柄か、魚達は冬眠しているみたいで20投のうちカマツカ4匹、シマドジョウ2匹、ヨシノボリ1匹の計7匹の捕獲となりました。
佐里下地区長老会との懇談会も実施!
25日は現地見学の後、地元長老会の方々に昔の話をしていただきました。いずれも貴重な話やアザメの事業に対する注意点など大変参考になりました。アザメを支えてこられた方々のためにも是非この事業を成功させたいと強く感じました。
”アザメの将来を期待する参加者” |
”日の高地山に登ってアザメの瀬を一望” |
”捕獲した魚を覗き込む参加者” |
”熱心に発言される長老会の皆さん” |
「アザメの瀬事業を行うにあたって!」
ここでは、現地見学会参加者及び老人会の方々から頂いた意見を掲載しています。
現地見学会時の意見
- 潜り橋は貴重な財産であり、できる限り残した方がよい。できるなら、幅員をもう少し広くしていただきたい。
- 洪水時には、事業用地の最上流部から水が入るので、この区間の堤防を高くして下流部から用地に水を入れた方がよい。
- 竹林は、できる限り残した方がよい。
- 溜池(上池、下池)は、ゴルフ場からの排水は全然ないため、水質は良い。
- 溜池は部落で管理しており、稚魚を入れ毎年干して、現地で食べて楽しんでいる。
- ゴルフ場の5番ホールに隣接した湿地には、まむしが多く生息している。
- ゴルフ場の5番ホールに隣接した溜池は、ゴルフ場の敷地で散水などに利用されており、水質が悪い。
- 災害で施工されているかごマット護岸は、そのままにして利用するのか。
- 田圃は一部残して米等を子供たちに作らせたらどうか。
- 上流から水を入れるのは問題。土砂がすぐに貯まる。
- 道路は山側に寄せて高さを上げた方がよい。
- ゴルフ場からの水は使わない方がいい。魚がすぐに死ぬ。
- 上流側の笹やぶがなくなってから頻繁に水が入るようになった。
- 下流の水田跡地は駐車場がよい。駐車場から散策できる遊歩道が欲しい。
- 下流の水田跡地は頻繁に浸かる。
- 岸岳のふもとにアートビレッジ構想があり、近くガラス工芸家が工房を構える予定。
- 昔の川は今の1/2位でもっと深かった。
地元老人会から
- 管理が大事。地域に応じた整備をすべき。
- テナガエビがたくさんいた。藻もたくさん生えていた。昔は裸眼で魚が見えた。
- 昔は物資を船で運んでいた。川に関所があった。
- 山水は石炭の水(赤水:鉄分が多い)が出てくるので使わない方がよい。使う場合はどのように使うか考えた方がいい。
- 上流から水が入ると土が貯まる。1回で2mぐらいあがることもあった。
- 魚介類が減っている。昭和37~8年頃までツガニ(モクズガニ)取れた。
- 炭坑の水が流れるとおしるこのような色の水が流れていた。ただ炭坑の水により魚が減ったようなことはなかった。
- 船は川を上下する場合は堰で水位を上げてから動かしていた。
- この地域はイノシシが15年前頃から増えた。
- 食用として、イダ(ウグイ)、コイ、ふな、かに、テナガエビ、メダカ、ナマズ、ドジョウ。
- イダは水成岩に棲む。花崗岩には棲まない。
- イダ嵐とは春一番のこと。
- 橋でせき止められて上流からアザメに水が入る。
- 竹藪が80%あった。おかげで水は入るがゴミは入らなかった。肥沃な土地だった。
- アザメの瀬橋はイカダ橋である。昔は、当番制で洪水後のゴミの処理をしていたが、今は若手がいないためゴミをその場で燃やしているので橋が黒くなっている。
- 洪水はS23,S28がひどく、毎年2~3回は畳上げをした。現在は河川改修により洪水を意識しなくなった。
- 川で洗濯をしていた。
- 川で泳いでいた。
編集後記
湯淺編集長より一言
寒い日が続いておりますが、アザメの瀬プロジェクトの熱意で風邪をひかないようみんなで頑張りましょう。