アザメ新聞は相知町佐里下地区で行われている自然再生事業の進展をお伝えする新聞です。この事業は住民参加の事業でどなたでも検討会に参加できます。Vol.7では地層調査、第8回検討会の模様、アンケート結果など多数の内容を紹介しました。
さて、Vol.8では9月11日第9回検討会、9月27日第10回検討会の模様をお伝えします。
地層調査を17箇所で実施し上流、中流、下流測線毎の地層状況を報告しました。調査を行った結果、地表から8mまでは岩が出てこないことと、6mぐらいから河床材料(川の中の砂や礫)がでてくることが分かりました。
今後の地層調査の展開については、
(1)地層調査で採取した土をシードバンクに使う
(2)土の中に含まれる、炭化物を調査し、地層深さ毎の年代を調べる結果がでましたら、ご報告します。ご期待ください。
9月19日に武雄工事事務所屋上にて、アザメの瀬で 実施した地 層調査の試料を使い行いま した(右図参照)。この調査結果をもとに、アザメの瀬を掘り下げた場合に、どの辺の地層まで種子を含んでいるのかを把握し、有効な掘削残土の利用(再生す る種の選定)に役立てます。地層調査17箇所のうち、8箇所を選定し調査しています。8箇所分でプランターが120個にもなりましたが、検討会メンバー の参加もあり楽しく作業することが出来ました。 東京大学の西廣助手いわく、「このように定量的にシードバンク調査を実施するのは全国でもはじめてのこと」だそうです。 |
シードバンク調査の際には、西廣氏・後藤氏に来ていただき、作業手順などのアドバイスを受けました。この試みを通じて多くの人にシードバンクを知ってもらえたらいいなと思います。
20日目の状況(かなりの芽生えが見られる)
9 月27日(金)にC・ゲルディー氏を招き、現地見学会及び講演会・討論会を実施しました。C・ゲルディー氏は近自然工法をスイスではじめ、その道の第一人 者として世界をリードしている技術者です。その先生にアザメの瀬地区と駒鳴地区を見ていただきました。 当日はあいにくの雨でしたが、沢山の参加が あり有意義な一日となりました。
現場では、島谷所長をはじめ若手職員が一丸となり、アザメの瀬の必要性について熱く説明をしました。ゲルディー氏から貴重な意見や質問を多数頂きました。
現場に来て数分足らずで現状を把握し、的確なアドバイスをされるゲルディー氏には驚きました。「川に自由を与える、失敗を恐れない」など非常に勉強になることばかりでした。
現場見学のあと、相知町福祉センターでゲルディー氏による「近自然河川工法」の講演会が開かれました。120名程度の参加があり、改めてアザメの瀬への注目度の高さに驚きました。
講演内容は主にスイスにおける近自然河川工法の紹介でした。通訳を通しての講演だったので、ゲルディー氏の河川に対する熱さが伝わりにくかったと思いますが、誰よりも河川を愛している方だなあと思いました。
その後、アザメの瀬についての討論会となり、会場からも質問・疑問が飛び交いました。なかでも議論の中心は、田圃を掘り下げた場合に堤防を残すか、残さないかでした。
ゲルディー氏によれば堤防は残さずに河川を拡げてやるのも一つの手ではないかということでした。まだまだ沢山の意見をもらいましたので、今後のアザメの瀬をよりよいものにするために生かしていきたいと思います。
今回、外国の川づくりを学 び、アザメの瀬で参考となる ことがたくさんあり有意義でした。町の人が非常に熱心に聞き入ってくれていたのがうれしかったです。今やアザメの瀬も世界が注目するほどになりました。今 後もみなさんとアザメの瀬を通じて、自然のすばらしさや大切さを勉強していきたいと思います。よろしくお願いします。 事務所ホームページ (http://www.qsr.mlit.go.jp/takeo/) 武雄工事事務所調査課 tel0954-23-7933 fax0954-23-5193 |
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