アザメ新聞は相知町佐里下地区で行われている自然再生事業の進展をお伝えする新聞です。
この事業は住民参加の事業でどなたでも検討会に参加できます。
Vol.8では第9回検討会や地元の方と実施したシードバンクの試み、第10回検討会の模様をお伝えしました。
さて、Vol.9では第11回、第12回検討会での模様をお伝えします。
これまで検討会で様々な議論を行ってきましたが、掘削土砂の有効利用を考えてアザメの瀬を 一部掘り下げることになり検討会で議論しました。これまでの議論でこの土地を河川の高さと変わらないところまで掘削し、河川の水を引き込み湿地的環境を再 生することが決まっています。湿地的環境にする理由は生物(魚)の繁殖の拠点とし松浦川流域全体の湿地的機能の再生にあり、掘削後もモニタリング(観察、 調査など)を行いよりよい環境再生に努めます。検討会で掘削に際して「何故掘り下げるの?」という質問が出ました。掘削に対しては何度も、何故掘り下げる のかという議論をしましたが、アザメの瀬検討会では、疑問が生じた時は一度議論したことでも何度でも繰り返し話し合うこととしています。また、工事の際、 うまくいかなかったところは何度でも繰り返しやり直す(順応的管理)ことにしています。これはとても大切なことであり、何度も話し合い、工事したところで もためらわずやり直すことで、よりよいものが後世に残ると思います。一緒にアザメの瀬自然再生事業を盛り上げていきましょう。
第8回検討会時にも紹介しましたが、ビジターセンターを造る計画があります。計画のモッ トーは「みんなで造る環境配慮型学習施設」(第7号アザメ新聞参照)です。今回、佐賀県杵島郡白石町に古民家があり、その施設をビジターセンターにどうか ということで紹介しました。議論の中には、「ビジターセンターに何を展示するかもわからないのに建てるのはまだ早い」や「見学者が来ており仮のものを建てて様子を見てみたら」という意見がでました。実際、アザメの瀬を見学に来る人が増えてきており、雨宿り出来る仮設のプレハブ程度は欲しいということで簡単な説明パネルと合わせて早めに設置したいと考えています。 |
第8号新聞で紹介しましたが、9月19日からシードバンクの新たな試みとして実験的に調査を行い観察を続けていました。約2ヶ月の間にたくさんの芽が出ており、11月12日に同定作業(植物の種類を特定する作業)を行いました。
作業を通して、僕たちが思っていた以上に種類の豊富さに驚きました。根気強く1つ1つのプランターを全てチェックし、 パッと見ただけでは同じように見える植物も、近づいてじっくり観察すると微妙に違い、日頃から気にしていなかった自分が恥ずかしくなりました。この調査を 経て植物への愛着が以前より断然と沸いてきました。こんなに沢山の種類の植物達が土の中で眠っていた現実と植物の生命力の強さを改めて実感しました。(車 軸藻(シャジクモ)という貴重な種類がでました。) これからも人と自然が共生できる第1歩としてのアザメの瀬自然再生を共に進めていきましょう。
自然再生がいよいよ動き出すということで出立式(仮称)を行ってはどうかと提案しました。
出立式という名称にしたのには理由があります。湿地の形を人間が作ることはできますが、動物・植物が自然の力で環境を整えていく土台(出発点)を造ったに すぎません。自然の力で環境再生がスタートするその出発点との意味を込めて出立式という名前にしました。また、アザメの瀬は松浦川流域全体の自然再生に対 する出発点という意味も込めているからです。アザメの瀬を拠点として 松浦川流域が今以上に自然にあふれた、豊かな場所となればという願いも込めていま す。
7月、8月に実施した地層調査の結果が判りましたので速報ではありますが紹介します。
下図は深さごとに地盤面を図化したものです。現在、地層年代を推定する調査を行っていますので、結果が出たら紹介します。
編集後記:いよいよアザメの瀬が動き出しました。今後も気を抜かず踏ん張っていきます。頑張りましょう。 事務所ホームページ (http://www.qsr.mlit.go.jp/takeo/) 武雄工事事務所調査課 tel0954-23-7933 fax0954-23-5193 |
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