アザメ新聞 Vol.04(H14.06.17)

アザメ新聞は相知町佐里下地区で行われている自然再生事業の進展をお伝えする新聞です。
この事業は住民参加の事業でどなたでも検討会に参加できます。
Vol.3ではアザメの瀬自然再生事業の理念や代表者検討会での模様をお伝えしました。
さて、Vol.4では第5回検討会の結果と今後の環境調査の考え方・方法を紹介します。
4月の第5回検討会以来、間があいていますがこれからもっと気合いを入れて活動を再開したいと思います。

武雄工事事務所調査課のニューフェイスを紹介します。
建設専門官 湯淺芳和氏の後任で御船 勲氏です。3年前は松浦川出張所長でした。
専門調査員 宇佐美 湖氏、高橋 史哉氏です。
この3名が地域交流窓口として、地域の皆さんと交流を深め、よりよい計画を作り上げて
まいります。よろしくお願いします。

『第5回検討会』開催!

4月13日に検討会を開催しました。
2回の代表者検討会を開催し、アザメの瀬自然再生事業の構想原案を提案しました。
原案は道路を山際へ付ける案と川側へ寄せる案の2案を提案しました。原案は下記のとおりです。

原案に対しては、住民の方々からいくつかの意見を頂きましたので紹介します。

  1. 魚取りに都合の良い仕掛けを考える
  2. 湿田で重要なことは、流れがないこと・干し上がらないこと・浅いこと・陸化しないこと。
  3. 水田は不整形な形が良いが管理を考えると長方形がよい。
  4. 生物の資料館を考え、車道計画は慎重に!駐車場は十分に!

まだまだ意見はあり、すべての意見を繁栄できるとは思いませんが、今後も貴重な意見を踏まえ高い意識のもとで連携を深めた計画・実施を行っていきましょう。

【今後の調査】

これまで検討会やシンポジウムを行い、アザメの瀬基本構想原案が住民の方々の概ね了解のもと、出来上がりました。しかしながら、まだまだ改善の余地があり 後生によりよい環境を残すためにもさらなる改良が必要です。そのためには正確な知識と緻密な調査が重要であり、調査を通して自然を知るチャンスでもありま す。
調査の内容を簡単に説明してみましょう。

みんなで探そうシードバンク

シードバンクって何だろう???

土の中に生きている種子の集団のこと。通常、土の中に生えているよりも、遙かに沢山の数の種子が眠っています。種子の種類によっては土壌中で何十年も生き ているものがあり、現在では見られなくなった植物が眠っている可能性が大いにあります。その種子を探し出すための一つの手段としてシードバンク調査があり ます。

シードバンク調査の目的

アザメの瀬地区自然再生事業では、植物・魚類相等の復元を行う予定にしていますが、植物については昔から松浦川流域内に依存していた種をこのシードバンク (種子の銀行)を使って復元したいと考えています。土の中には、多くの種子が含まれており、その種類は地上に存在する種子の約3~5倍程度といわれており 土の中で次の発芽の機会をじっと待っています。

シードバンク調査の方法


  1. 流域内で昔は湿地だったとか、川が流れていたが埋められたとか、そのような情報をたよりに土を収集する。
  2. アザメの瀬自然再生事業箇所の一部を利用し実験ヤードを製作する。(希望としては小学校等と連携した実験も行いたい。環境学習の一環)
  3. 実験ヤードに収集した土をまき出し発芽を待ちます。ばらまき方は、一定量の土壌に含まれる種子を調査するため、厚さ・幅等を均等にし、植物の生育に支障無くすることが重要です。
  4. 定期的に観察会を行い、学識者(植物専攻)による種類の見分け方等の学習会を開く予定です。
  5. この土を入れればどんな植物が生えてくるのか種子マップを作る。
  6. 植物を選定しアザメの瀬地区自然再生事業箇所での復元を目指す

編集後記

4月13日開催の検討会以降、動きが鈍くなり地元の方々には心配をおかけしております。
アザメの瀬自然再生事業はこれまで以上にパワーアップし頑張って行く所存でございます。今後とも皆様との意志の疎通を図り、どこにも負けない自然再生を目指します。よろしくお願いします。編集員も燃えています。

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