六角川は佐賀県西部の神六山(標高447m)に源を発し、武雄川などの支川を合わせつつ白石平野を蛇行しながら貫流し、下流部において牛津川を合わせて有明海へ注ぐ、幹川流路延長47km、流域面積341km²の一級河川です。
低い平地となっている下流部では、有明海の大きな干満差の影響が河口から約29km付近にまで及び、汽水域が形成されています。汽水域にはエツやワラスボ等の有明海特有の魚類とギンブナやモツゴ等の淡水魚が混在して生息しています。また、水辺のヨシ原はオオヨシキリの繁殖場、カヤネズミの生息場となり、干潟はハラグクレチゴガニの生息場となっています。
六角川河口堰より下流には広大な河口干潟が形成され、有明海と一体となっています。干潟にはムツゴロウやシオマネキが生息しており、シギ・チドリ類やカモ類の渡り鳥の中継地、越冬地となっています。また、水際にはシチメンソウやヒロハマツナ等の塩生植物が生育し、その背後にヨシ原が形成されています。
こんな全国でも珍しい特徴をもった六角川の生き物について紹介します。
近年確認された六角川水系の生き物たち
項目 |
これまでの調査で
確認された種数 |
代表的な種 |
魚 類 |
65種 |
ハゼクチ、ムツゴロウ、トビハゼ、モツゴ |
底生動物 |
238種 |
シオマネキ、ハラグクレチゴガニ |
植 物 |
737種 |
シチメンソウ、イソヤマテンツキ、オギ |
鳥 類 |
125種 |
ヒドリガモ、コガモ、オオヨシキリ、カワラヒワ |
哺乳類・爬虫類・両生類 |
23種 |
タヌキ、コウベモグラ、アカネズミ、シマヘビ、ヌマガエル |
陸上の昆虫類 |
1,323種 |
ナナホシテントウ、アオモンイトトンボ、モンシロチョウ |