松浦川水系の珍しい生き物たち

近年確認されたもの

珍しさのランク
やや珍しい   とても珍しい
範囲矢印
★★ ★★★ ★★★★
松浦川周辺が国内でも重要な場所 珍しくなるかもしれないもの
               

魚類

スナヤツメ

(ヤツメウナギ目、ヤツメウナギ科)

スナヤツメ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
20cm
分布・生活場所
北海道~熊本県。中~下流域のやわらかい泥底に潜っている。
佐賀県付近での他の呼び名
やつめうなぎ
生活型
3~4月に石に吸いついている姿が見られる。4~6月に卵を産む。
松浦川水系での確認状況
平成13、19、24年
見分けるポイント
口が吸盤状でアゴを持たない。背びれは丸く、明るい色をしている。
河川改修による河道の単純化、生活排水による水の汚れ、水量の減少や地下水位の低下による水温の上昇などで減少。

ニホンウナギ

(ウナギ目、ウナギ科)

ニホンウナギ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
★★★
 
大きさ
100cm
分布・生活場所
全国。上流~河口・汽水域、ため池、クリーク
佐賀県付近での他の呼び名
おなぎ、びりんそー、あお、くろ、ごま他
生活型
昼間は川底や石 の間に隠れ、夜に活動する。河川では春~秋にみられる。
松浦川水系(厳木ダム周
辺を含む)での確認状況
平成8、13、19、24年
見分けるポイント
背側は黒色、腹側は白色。幼魚は無色透明に近く、シラスウナギと呼ばれる。
河床の変化、河川の水質と量の変化、餌不足とともに大きく減少している。 河川への遡上は年変動が大きく、気象や水象にも左右される。

ヤリタナゴ

(コイ目、コイ科)

ヤリタナゴ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
 
大きさ
10cm
分布・生活場所
本州~北部九州。中~下流域の比較的流れの速い場所を好む。
佐賀県付近での他の呼び名
たばや、でんばや、べんばや、べにばや他
生活型
春~夏に流れの緩やかな場所で二枚貝に産卵する。
松浦川水系での確認状況
平成3、8、13、19、24年
見分けるポイント
体は銀色で、口角に一対の長いひげを持ち、背びれに黒色班が1つずつある。産卵期の雄は背側が青緑色、腹側は桃色で美しい。
産卵場の二枚貝が減少すると同時に減少する。オオクチバスなどの外来種に食べられることも減少の原因の一つである。

カワヒガイ

(コイ目、コイ科)

カワヒガイ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
 
大きさ
13cm
分布・生活場所
愛知県~九州北西部。中~下流域の流れがわずかな砂礫底。
佐賀県付近での他の呼び名
あぶらはや、あぶらめ
生活型
5~7月に、淡水にいる二枚貝の中に卵を産みつける。
松浦川水系での確認状況
平成3、8、13、19、24年
見分けるポイント
口が小さく、眼が大きい。各ヒレは丸く美しいオレンジ色。背ビレには特徴的な黒色班が見られる。
産卵場の二枚貝が減少すると同時に減少する。オオクチバスを移植すると餌とするため激減する。

ゼゼラ

(コイ目、コイ科)

ゼゼラ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
7cm
分布・生活場所
濃尾平野、琵琶湖淀川水系、山陽地方、九州北西部。中流域、細流、クリークの流れのない淀みの砂泥底にいる。
生活型
産卵は4~7月。ヨシやマコモの根に産みつける。
松浦川水系での確認状況
平成8、13、19、24年
見分けるポイント
体は長細く、口が小さい。色は灰白色で、瞳と同じ大きさの円形の暗色班が縦に並ぶ。
泥の表面にある藻類などを好んで食べ、動物プランクトンも食べる。生息場所が限定されている。

ドジョウ

(コイ目、ドジョウ科)

ドジョウ
佐賀県での珍しさ
佐賀平野で☆
全国での珍しさ
 
大きさ
12cm
分布・生活場所
全国。上流域の下部~下流域、細流、水田。
佐賀県付近での他の呼び名
どじゅう、どんじゅう、きねかんどじょう他
生活型
6~7月に用水路から水田へ上り夜間に産卵する。
松浦川水系(厳木ダム周
辺を含む)での確認状況
平成8、13、19、24年
見分けるポイント
腹以外は全体に褐色を帯び、腹側は淡色。口ひげが5対あり、3対は上唇にある。
昔から重要な食用魚であったが、水田等がなくなり減少している。

ヤマトシマドジョウ種群

(コイ目、ドジョウ科)

ヤマトシマドジョウ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
10cm
分布・生活場所
九州と山口県。中流域の流れがあり、底質が砂礫の場所。
佐賀県付近での他の呼び名
しまどじょう、すなくいどじょう
生活型
砂の中の小動物を吸い込み、砂を吹き出し、前進しながら餌をとる。
松浦川水系での確認状況
平成3、8、13、19、24年
見分けるポイント
口ひげは6対で、体側、背中に黒褐色の点列がある。眼の下にかたいトゲがある。
河川改修による生活場所の減少や水の汚れなどにより減少。

アリアケギバチ

(ナマズ目、ギギ科)

アリアケギバチ
佐賀県での珍しさ
★★
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
20cm
分布・生活場所
九州西部。上~下流域、湖沼。昼は流れの穏やかな淵尻の石の下にひそみ、夜は水生昆虫などの餌をとる。
佐賀県付近での他の呼び名
ぎぎゅう、ぎんぎょばち、しゃち他
生活型
産卵期6~8月、石の下面などに黄色い卵を産みつける。
松浦川水系での確認状況
平成3、13、19、24年
見分けるポイント
体はやや細長く、口ひげは8本。あぶらビレを持つ。背ビレと胸ビレにはとげがあり、毒をもつ。
陸にあげると「ギュッギュッ」と音を立てる。川の改修などにより生息環境が変化し、生息が減少している。

ミナミメダカ

(ダツ目メダカ科)

メダカ南日本集団
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
4cm
分布・生活場所
本州(丹後・但馬地方から西)~琉球列島。中~下流域、クリーク・ため池、細流。
佐賀県付近での他の呼び名
ぎぎゅう、ぎんぎょばち、しゃち他
生活型
日中は明るく浅いところで餌を食べ、夜間は昼より少し深いところや草場ですごす。群れて行動する。
松浦川水系(厳木ダム周
辺を含む)での確認状況
平成13、19、24年
見分けるポイント
雄雌の違いは背ビレ。雄は平行四辺形で破れたように見え、雌はやや先細りになっている。
生活場所の減少や外来種のカダヤシとの置き換えなどで減少。

オヤニラミ

(スズキ目、スズキ科)

オヤニラミ
佐賀県での珍しさ
★★
全国での珍しさ
★★★
 
大きさ
12cm
分布・生活場所
淀川・由良川~九州北部。生活場所:中流域。緩やかな流れの植生が豊かで水がきれいな場所。
佐賀県付近での他の呼び名
よつめ、みずくりせえべえ他
生活型
肉食性で水生昆虫、甲殻類、小魚などを餌にする。
松浦川水系での確認状況
平成3、13、19、24年
見分けるポイント
えらぶたの後ろに本物の眼よりやや大きい眼状紋がある。ただし、環境によって体色が違う。
単独で生活し、縄張りを持つ。ストレスに弱いため、岸辺の植物が護岸工事などでなくなると真っ先に姿を消してしまう。

スズキ

(スズキ目、スズキ科)

スズキ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
有明海で☆
 
大きさ
100cm
分布・生活場所
全国。下流域、河口・汽水域。
佐賀県付近での他の呼び名
はくらご、はくら、あかめばくら、せいご他
生活型
冬に外洋の岩礁地帯で産卵。6月頃5cm程に成長し、河川に上る。8月頃10cm程になり中流域近くまで上るものもいる。
松浦川水系での確認状況
平成3、8、13、19、24年
見分けるポイント
体は左右から押しつぶしたように平たく細長い。口は大きく下あごが出ている。背びれにたくさんの黒班があるが、成長とともに消える。
河川改修等の河口の環境変化により減少している。

ヒモハゼ

(スズキ目、ハゼ科)

ヒモハゼ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
 
大きさ
6cm
分布・生活場所
青森県~九州。河口や河口域にある干潟の砂底や砂泥底。
生活型
アナジャコやカニ類の生息穴で見られる。
松浦川水系での確認状況
平成13、19、24年
見分けるポイント
体の中央にはっきりとした黒色縦帯が1本走る。
 

参考文献:

  • 「レットデータブックさが」 (佐賀県)
  • 「佐賀県レッドリスト」 (佐賀県)
  • 「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物 汽水・淡水魚類」 ((財)自然環境研究センター)
  • 「報道発表資料 第4次レッドリストの公表について(汽水・淡水魚類)」 (環境省)
  • 「佐賀県の淡水魚-人と川と自然を考える-」 (佐賀新聞社)
  • 「日本の淡水魚」 ((株)山と渓谷社)
  • 「日本のハゼ」 ((株)平凡社)
  • 「川の生物図鑑」 ((株)山海堂)
  • 「河川水辺の国勢調査のための生物リスト」(平成24年9月 国土交通省)

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