松浦川水系の珍しい生き物たち

近年確認されたもの

珍しさのランク
やや珍しい   とても珍しい
範囲矢印
★★ ★★★ ★★★★
松浦川周辺が国内でも重要な場所 珍しくなるかもしれないもの
               

底生動物:水中で確認された貝類、昆虫類など

ミズゴマツボ

(盤足目、ミズゴマツボ科)

ミズゴマツボ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
6mm
分布・生活場所
本州~九州。河川河口付近
生活型
河口付近に生息する。
松浦川水系での確認状況
平成10、15、20年
見分けるポイント
多少背腹に平たく、殻口は少しはずれて小さい。殻色は黄か緑がかった褐色。
護岸工事や河川改修工事で生息地が破壊され減少。

マメタニシ

(盤足目、エゾマメタニシ科)

マメタニシ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
6mm、径5mm
分布・生活場所
北関東~九州。湖やため池、水田、用水路などの泥底や水草。
生活型
泥底や水草、護岸や岩礫表面など生息基盤は多様である。
松浦川水系での確認状況
平成20年
見分けるポイント
殻は半透明の黄白色で鈍い光沢があるが、付着物に覆われていることが多い。体層は7本前後。レール状の凸凹ある。口唇は厚い。
 

モノアラガイ

(基眼目、モノアラガイ科)

モノアラガイ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
 
大きさ
20mm
分布・生活場所
全国。ため池や流れのない用水路、川のよどみ。
生活型
水草に産卵する。
松浦川水系(厳木ダム周
辺を含む)での確認状況
平成5、6、10、11、15、20年
見分けるポイント
表面には細かな成長脈があり、殻口は大きい。
ため池や河川の改修による生活場所の変化、外来種との置き換えや交配により減少している。

ヒラマキミズマイマイ

(基眼目、ヒラマキガイ科)

ヒラマキミズマイマイ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
 
大きさ
7.5mm
分布・生活場所
全国。池沼の水草の上。
松浦川水系(厳木ダム周
辺を含む)での確認状況
平成6、10、11、15、16、20年
見分けるポイント
殻は半透明で薄く、へん平で円盤状。弱い角を持ち、それに殻皮毛を生じる。
水草の輸入に着いてきた、外来種との置き換えや交配により減少。

クルマヒラマキガイ

(基眼目、ヒラマキガイ科)

クルマヒラマキガイ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
10mm
分布・生活場所
近畿地方~沖縄。ごく浅いハス田、湧水の出る湿地。
生活型
水底や植物の上などにはっている。
松浦川水系での確認状況
平成15、20年
見分けるポイント
殻色は淡い黄色~赤褐色で光沢がある。付着物が付いていることもある。厚さは2mm程度。
ハス田の埋立てや湿地の消失、農薬の散布などにより減少。

ヒラマキガイモドキ

(基眼目、ヒラマキガイ科)

ヒラマキガイモドキ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
 
大きさ
4~5mm
分布・生活場所
全国。水田、水路、湿地に生息。
松浦川水系での確認状況
平成10、15、20年
見分けるポイント
殻色は黄白色~淡い茶褐色の半透明で光沢がある。類や鉄分などを付けていることも多い。
 

ニセマツカサガイ

(イシガイ目、イシガイ科)

ニセマツカサガイ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
50mm
分布・生活場所
近畿西部~九州。湖沼や小川・用水路の砂礫底に生息。流水環境を好む。
松浦川水系での確認状況
平成20年
見分けるポイント
殻は卵円形で、殻頂付近から縁にかけて太い凸凹模様がある。
 

クチバガイ

(マルスダレガイ目、チドリマスオ科)

クチバガイ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
 
大きさ
20~30mm
分布・生活場所
全国。河口干潟、川の汽水域の砂底。
松浦川水系での確認状況
平成10、15、20年
見分けるポイント
殻表面は比較的厚く、光沢のない黄褐色。成長とともにやや色が濃くなる。
内湾や河口干潟の環境の悪化により減少。

ヤマトシジミ

(マルスダレガイ目、シジミ科)

ヤマトシジミ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
 
大きさ
30~50mm
分布・生活場所
北海道~九州。河口や川の水が混じる内湾に生息。
松浦川水系での確認状況
平成20年
見分けるポイント
殻表面は光沢のある黄褐色~黒色。成長脈は細かく密集している。
食用に獲られることにより減少。

マシジミ

(マルスダレガイ目、シジミ科)

マシジミ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
30mm
分布・生活場所
東北~九州。河川、水路、ため池などの淡水域。
生活型
4~10月が繁殖期で、1cmを超えるものは稚貝を保有している。
松浦川水系(厳木ダム周
辺を含む)での確認状況
平成6、10、16、20年
見分けるポイント
三角形で殻表面の成長脈は比較的粗い。殻色は黄褐色~黒褐色で光沢はほとんどない。
タイワンシジミ種群の帰化、定着により、減少。

タベサナエ

(トンボ目、サナエトンボ科)

タベサナエ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
 
大きさ
23~26mm(幼虫(ヤゴ))
分布・生活場所
静岡・岐阜・福井~九州。平地や丘陵地の流れが緩やかな浅い小川、ため池。
生活型
幼虫は植物の沈殿物ある水底の泥にもぐり、4月の初めから成虫が飛び始める。
松浦川水系での確認状況
平成10、15、20年
見分けるポイント
幼虫は褐色あるいは黒褐色の平らなヤゴで、腹部が比較的短い。
河川の改修による生息環境の変化により減少。

ヨコミゾドロムシ

(コウチュウ目、ヒメドロムシ科)

ヨコミゾドロムシ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
2.6~2.8mm
分布・生活場所
本州~九州。平地の水が湧いた水草が豊富な池。
生活型
ほとんど分かっていない。成虫は5~11月に出現。成虫・幼虫とも同じ場所にいる。
松浦川水系での確認状況
平成15、20年
見分けるポイント
頭から胸、背にかけて暗褐色。上ハネ、触角は褐色でわずかに光沢がある。体の下側は褐色。
河川改修などにより抽水植物が減少しているため減少。

参考文献:

  • 「レットデータブックさが」 (佐賀県)
  • 「佐賀県レッドリスト」 (佐賀県)
  • 「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物 陸・淡水産貝類」 ((財)自然環境研究センター)
  • 「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物 昆虫類」 ((財)自然環境研究センター)
  • 「報道発表資料 第4次レッドリストの公表について」 (環境省)
  • 「ながさきの希少な野生動植物」 (長崎県)
  • 「福岡県の希少野生生物」 (福岡県)
  • 「日本産淡水貝類図鑑」 ((株)ピーシーズ)
  • 「干潟の生きもの図鑑」 ((株)南方新社)
  • 「昆虫の図鑑 採集と標本の作り方」 ((株)南方新社)
  • 「原色日本昆虫図鑑 上」 ((株)保育社)
  • 「原色日本昆虫図鑑 下」 ((株)保育社)
  • 「河川水辺の国勢調査のための生物リスト」(平成24年9月 国土交通省)

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