松浦川水系の珍しい生き物たち

近年確認されたもの

珍しさのランク
やや珍しい   とても珍しい
範囲矢印
★★ ★★★ ★★★★
松浦川周辺が国内でも重要な場所 珍しくなるかもしれないもの
               

鳥類

ササゴイ

(コウノトリ目、サギ科)

ササゴイ
佐賀県での珍しさ
★★★★
全国での珍しさ
 
大きさ
52cm
分布・生活場所
本州~九州。夏鳥として、比較的きれいな川、池近くに渡来。
生活型
朝夕活発に活動する。魚を食べる。
松浦川水系(厳木ダム
を含む)での確認状況
平成4、5、7、10、13、21年
見分けるポイント
上面がグレーで頭は黒っぽい。下面は淡いグレー若鳥は上面が黒褐色。両方とも足が黄色。
水の汚れ、巣をつくる木の伐採等により減少。餌となる魚が棲める川が必要。

チュウサギ

(コウノトリ目、サギ科)

チュウサギ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
 
大きさ
56~72cm
分布・生活場所
全国。他のサギ類とコロニーをつくる。
生活型
夏の渡り鳥で、水田で昆虫等を食べる。
松浦川水系での確認状況
平成4、7、13年
見分けるポイント
全身が白色で繁殖期には胸と肩羽に飾り羽が生じる。くちばしは黄色(繁殖期は黒色で先が黄色)、脚は長く黒色。
農薬の散布による二次的汚染が減少につながっている考えられる。

ツクシガモ

(カモ目、カモ科)

ツクシガモ
佐賀県での珍しさ
★★★★
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
63cm、翼を広げると111cm
分布・生活場所
有明海の干潟。
佐賀県付近での他の呼び名
はながも(花鴨)
生活型
冬の渡り鳥。干潟で甲殻類、貝類などを食べる。
松浦川水系での確認状況
平成13年
見分けるポイント
一見全身が白く見えるが、頭と頚の上部は緑色の光沢を持つ。黒で胸から背中に回る栗色のバンドが目立つ。繁殖期にくちばしの基にこぶができる。
干潟の減少により、他の干潟への集中し環境が悪化している。また、密漁も行われており減少している。

オシドリ

(カモ目、カモ科)

オシドリ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
 
大きさ
41~45cm
分布・生活場所
全国。ダム湖や山間部の河川やため池に大きな群れをつくる。
生活型
冬の渡り鳥でシイ・カシの実などを食べる。
松浦川水系(厳木ダム
を含む)での確認状況
平成4、5、7、10、13、15、21年
見分けるポイント
雄は頭部の後ろに伸びる橙赤色の冠羽があり、脇に大きな橙赤色のイチョウ羽が目立つ。
ダムなどの景観整備により人の手が加えられ、環境の変化により減少。

ミサゴ

(タカ目、タカ科)

ミサゴ
佐賀県での珍しさ
★★★★
全国での珍しさ
 
大きさ
55~64cm
分布・生活場所
全国。海岸や湖沼・ダムや河川。
生活型
海、河川や湖で中、小型の魚を食べる。
松浦川水系(厳木ダム
を含む)での確認状況
平成4、7、10、13、15、21年
見分けるポイント
頭部や体の下面は白く、上面は黒褐色。翼は細長く尾は短い。脚の爪は非常に鋭い。
巣営地への人間の接近、水質汚染、浅海域の埋立てにより減少。

ハチクマ

(タカ目、タカ科)

ハチクマ
佐賀県での珍しさ
★★
全国での珍しさ
 
大きさ
57~60.5cm
分布・生活場所
本州~九州。標高100~1,500mの山のマツなどの枝に巣をつくる。
生活型
昆虫や小型の脊椎動物を食べる。
松浦川水系(厳木ダム
を含む)での確認状況
平成4、10、13、15、21年
見分けるポイント
全体に褐色から暗褐色。特徴のある声でよく鳴く。
5~8月に登山などによる繁殖地への人の立ち入り、生息地の森林伐採。登山者が出したゴミに集まるカラスなどにより減少。

ハイタカ

(タカ目、タカ科)

ハイタカ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
 
大きさ
32~39cm
分布・生活場所
北海道~北部九州。生活場所:山地の針葉樹の枝に巣をつくる。
生活型
小鳥類を食べる。
松浦川水系(厳木ダム
を含む)での確認状況
平成4、5、7、10、13、15、21年
見分けるポイント
雄は上面が暗い青灰色、腹部と胸部は白地にオレンジの斑点があり、雌は上面が灰色、腹部と胸部は白地に暗褐色の横班がある。
森林の伐採、自然林の減少、殺虫剤散布で汚染された小鳥を食べることによる二次的汚染などにより減少。

サシバ

(タカ目、タカ科)

サシバ
佐賀県での珍しさ
★★
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
49cm
分布・生活場所
本州~琉球列島。丘陵地から標高800mくらいまでの山地。
生活型
巣をアカマツ、スギ等につくり、カエルなどを食べる。
松浦川水系(厳木ダム
を含む)での確認状況
平成4、5、7、10、13、15、21年
見分けるポイント
カラスくらいの大きさで、色は赤褐色味が強く、「ピックィーイ」と特徴のある声で鳴く。
低い山の林(里山)とそれに隣接する水田や沼地の環境の変化、水田の放棄でカエルなどエサが取れなくなったことにより減少。

ハヤブサ

(タカ目、ハヤブサ科)

ハヤブサ
佐賀県での珍しさ
★★★★
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
38~51cm
分布・生活場所
北海道~九州。海岸の崖で繁殖、海岸や河川、湖など開けた場所。
生活型
冬の渡り鳥で、空中で中、小型鳥類を捕えて食べる。
松浦川水系(厳木ダム
を含む)での確認状況
平成4、5、7、10、13、15、21年
見分けるポイント
見分けるポイント:上面は暗青灰色、下面は白色に黒い斑点。
巣への釣り人等の接近、殺虫剤等で汚染された鳥を食べることによる二次的汚染、密漁などにより減少。

タマシギ

(チドリ目、 タマシギ科)

タマシギ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
24cm
分布・生活場所
関東~九州。沼、池のほとり、湿田。
生活型
水や土の中の昆虫等を食べる。
松浦川水系での確認状況
平成13年
見分けるポイント
雄は全体に褐色で黄褐色のV字の線があり、雌は背中から側面はブロンズ色、喉から腹は栗色をしている。
生息情報が少ないが、農薬散布により餌となる昆虫の減少が考えられる。

セイタカシギ

(チドリ目、セイタカシギ科)

セイタカシギ
佐賀県での珍しさ
全国での珍しさ
★★
 
大きさ
37cm
分布・生活場所
本州~九州の一部地域。渓流や湖沼周辺。
生活型
夏の渡り鳥で、静かな水面の泥の中の小動物を食べる。
松浦川水系での確認状況
平成13年
見分けるポイント
上面は緑色光沢のある黒色、下面は白色。くちばしは細くてまっすぐ。脚はとても長く、桃赤色。
湖沼畔や湿地の埋立てなど生息環境の変化により減少。また、繁殖地はカラスの影響を受けやすい。

ヤマセミ

(ブッポウソウ目、カワセミ科)

ヤマセミ
佐賀県での珍しさ
★★★★
全国での珍しさ
 
大きさ
37.5cm
分布・生活場所
本州~九州。渓流や湖沼周辺に生息。地域によっては海岸、河口にもいる。
生活型
粘土質の崖に穴を掘り巣をつくる。魚を食べる。
松浦川水系(厳木ダム
を含む)での確認状況
平成4、5、7、10、13、15、21年
見分けるポイント
ハトより少し大きな白っぽい鳥。上面を中心に黒い鹿の子模様がある。頭に冠羽があり、くちばしはわりと大きい。
河川工事などで巣に適した崖の消失、川の水の汚れ、釣り人の立ち入り、餌となる魚の乱獲などで減少。

参考文献:

  • 「レットデータブックさが」 (佐賀県)
  • 「佐賀県レッドリスト」 (佐賀県)
  • 「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物 鳥類」 ((財)自然環境研究センター)
  • 「報道発表資料 第4次レッドリストの公表について」 (環境省)
  • 「ながさきの希少な野生動植物」 (長崎県)
  • 「福岡県の希少野生生物 -植物群落・植物・哺乳類・鳥類-」 (福岡県)
  • 「日本の動物大百科 鳥類Ⅰ」 ((株)平凡社)
  • 「日本の動物大百科 鳥類Ⅱ」 ((株)平凡社)
  • 「河川水辺の国勢調査のための生物リスト」(平成24年9月 国土交通省)

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