松浦川水系の中上流域でよく見られる生き物

松浦川水系の中上流域の河川環境(松浦川、徳須恵川)

松浦川写真1
松浦川写真2
松浦川写真3

哺乳類

イノシシ

(ウシ(偶蹄)目、イノシシ科)

イノシシ
生息場所
樹林 草地
大きさ
80~110cm
分布・生活場所
本州~九州。広葉樹林、里山、低地帯の水田、農耕地
生活型
繁殖期は春~秋、年1回出産する。雄雌は分かれて生活する。雄は1~2歳で母親と分かれ、単独で行動するか、20頭以下の群れをつくる。娘は母親とともに群れをつくる。
松浦川での確認状況
草地などで確認されている。
見分けるポイント
全身、褐色または暗褐色の剛毛で覆われ、鼻先は円盤状となる。尾は長く耳が小さい。
雑食性で、地表から地中にかけ、各種の植物と動物を掘り返し食べる。

コウベモグラ

(モグラ(食虫)目、モグラ科)

コウベモグラ
生息場所
草地 その他
大きさ
125~185mm
分布・生活場所
静岡・長野・石川~九州。低地~山地の水田や草地。
生活型
春~初夏が繁殖期で、2~6匹生まれる。
松浦川での確認状況
草地などに塚や坑道が確認されている。
見分けるポイント
毛色は褐色。大型の物ほど褐色が強くなる。上あごの切歯は浅い弧状に並ぶ。
地下に広葉樹の葉を使った54cm前後の巣をつくる。エサは昆虫やミミズを好むが植物の種子を食べることもある。寿命は最大で3年あまりと考えられている。

アカネズミ

(ネズミ(齧歯)目、ネズミ科)

アカネズミ
生息場所
樹林 草地 河岸
大きさ
85~135mm
分布・生活場所
北海道~九州。森林、農耕地、河川敷等。
生活型
繁殖期は春と秋の2回。活動時間は日没~3時間がピーク。
松浦川での確認状況
草地で確認されている。
見分けるポイント
大きな目を持ち、体色は鼻から尾の先までの背側が橙褐色、腹側が白色。口もとと足の白さが印象的である。
エサは植物の種、昆虫が中心で植物の根・茎等も食べる。寿命は最長で2年。飼育下で2~3年と言われている。鳥のような巣をつくるネズミで、イネ科の植物の葉を編んでつくられる。

タヌキ

(ネコ(食肉)目、イヌ科)

タヌキ
生息場所
樹林 草地 その他
大きさ
50~60cm
分布・生活場所
北海道~九州。平地~山地の林、林縁、里山など。
生活型
繁殖期は2~4月。日中は巣穴にいて、夜行動する。ため糞の習性があり場所は共同で使用する。
松浦川での確認状況
草地などに糞や足跡が確認されている。
見分けるポイント
背中には黄褐色で黒い刺毛があり、腹部は黄褐色。足と目の周囲は暗色。
雑食性で、果実、ドングリなどの堅い実、穀類、昆虫、ネズミ、カエル、ヘビ、魚などなんでも食べる。

爬虫類

ニホントカゲ

(有鱗目、トカゲ科)

ニホントカゲ
生息場所
裸地 河岸 その他
大きさ
200~250mm
分布・生活場所
本州~九州。平野部~高山地の川原や道路際の開けた場所。
生活型
初夏に石の下や木の根元に巣穴をつくり5~16個の卵を産む。昼行性で頻繁に日光浴を行う。
松浦川での確認状況
構造物などで確認されている。
見分けるポイント
ずんぐりとした体型でエラが張っている。雄は背面が金色がかった褐色、雌は黒く5本の金色の縦条がある。
昆虫ヤクモ等を好んで食べる。

ニホンヤモリ

(有鱗目、ヤモリ科)

ニホンヤモリ
生息場所
人里
大きさ
100~140mm
分布・生活場所
本州~九州。民家をはじめ建築物が生息場所。
生活型
5~7月に家の戸袋や壁の隙間、天井裏に産卵。
松浦川での確認状況
構造物などで確認されている。
見分けるポイント
体は平たく、指は四つに分かれ先に広がる。背面と指はきめ細かい顆粒状のうろこでおおわれている。体色は灰色に暗褐色の斑紋が基本だが、気温や体調により変化する。
エサは昆虫やクモ。特にガやゴキブリなどを食べる。夜行性でガラス窓や天井にはりついて移動する。

シマヘビ

(有鱗目、ナミヘビ科)

シマヘビ
生息場所
草地 河岸 耕作地
大きさ
80~200cm
分布・生活場所
北海道~九州。平地~山地の水田や小川。
生活型
7~8月に4~16個の卵を産む。冬は冬眠する。
松浦川での確認状況
草地や構造物などで確認されている。
見分けるポイント
目つきが鋭く精悍な顔つき。茶褐色に4列の黒い縦縞が走る。腹側は鮮やかな黄色味を帯びる。
カエルが最も好きで、トカゲやヘビも食べる。石の上や道端で日光浴をする姿を見かける。逃げ足は速いが追いつめられると咬みついてきたり尾で地面を叩いて威嚇する。

両生類

ヌマガエル

(無尾目、アカガエル科)

ヌマガエル
生息場所
草地 湿地
大きさ
28~54mm
分布・生活場所
静岡~九州。平野~低地の沼や田んぼなどの水辺。
生活型
産卵は5~8月。湿地や田んぼに産みつけられる。
松浦川での確認状況
草地や構造物などで確認されている。
見分けるポイント
体色は背面が薄茶色や灰色で、暗色のまだら模様が入る。頭は細長く、左右の目の間は上まぶたの幅よりも狭く、凹まない。
人里近くでも見かけるなじみ深いカエルのひとつ。オタマジャクシは暑さに強く、43度になった水たまりでも生存していた記録がある。

アマガエル

(無尾目、アマガエル科))

アマガエル
生息場所
草地 湿地
大きさ
22~45mm
分布・生活場所
全国。平野や低山の水田等。
生活型
繁殖は4~8月、水田や湿地などの止水で産卵。
松浦川での確認状況
水田付近や河川止水域などで確認されている。
見分けるポイント
体色は緑色で目の前から鼻あたりまで伸びる黒い線が特徴。幼生は左右の眼が広く離れた顔つき。
日本でもっともよく見られるカエルの一つ。エサは昆虫やクモ類。2年で成熟。環境に応じて体色が変化する。

ツチガエル

(無尾目、アカガエル科)

ツチガエル
生息場所
草地 湿地
大きさ
30~60mm
分布・生活場所
本州~九州。都市の人工池~水田、河川、渓流、湿原
生活型
繁殖期は5~8月で、2~3回産卵する。幼生のまま越冬する。
松浦川での確認状況
-
見分けるポイント
背面は灰褐色でイボがたくさんある。のどと腹に黒班があることが多い。
昔から「いぼがえる」と呼ばれ親しまれてきたカエル。アリ、バッタなど小さい昆虫がエサ。背中から悪臭を放つ粘液を分泌する。幼体は80mmにもなり、大きなおたまじゃくしである。

参考文献:

  • 「日本の動物大百科 哺乳類Ⅰ」 ((株)平凡社)
  • 「日本の動物大百科 両生類・爬虫類・軟骨魚類」 ((株)平凡社)
  • 「日本のカエル」 ((株)山と渓谷社)
  • 「日本のカメ・トカゲ・ヘビ」 ((株)山と渓谷社)
  • 「日本の哺乳類」 ((財)自然環境研究センター)
  • 「川の生物図鑑」 ((株)山海堂)
  • 「河川水辺の国勢調査のための生物リスト」(平成24年9月 国土交通省)

ページの先頭へ戻る

Copyright (C) 武雄河川事務所.All Rights Reserved.